セルフシリンジ法の手順とコツ

セルフシリンジキット 家族づくり

妊活の中で最も低予算で体への負担が少ないセルフシリンジ法(別名 自己人工授精、スポイト法)の流れ、コツなどまとめてみました。

月経がだいたい1か月ぐらいの間隔で規則正しくきている、という方は、最も手軽に始めることができる方法です。

また、よりオススメの方法などがありましたら、ご指摘頂けましたらありがたいです。

基礎体温を測定

月経周期と排卵日を把握するために基礎体温を測ります。
基礎体温とは、最小限の活動しかしていない状態の体温のことで、本来は寝ている間の状態を指します。
【36.55℃】のように小数点以下2桁までが分かる婦人科体温計を寝起きすぐに、体がまだ動いてないうちに舌の裏に差し込んで、横になったまま測ります。

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毎朝測って、アプリや基礎体温記録用ノートに記録していきます。生理がだいたい1か月ごとにきている方の場合、うまく測ることが出来ていれば、下のグラフのように生理が始まってから前半2週間は低温期、その後体温が高くなって高温期、再び生理がきたら下がって低温期というのを繰り返すパターンが見えます。排卵が起こったときに低温期から高温期に移ります。

3か月ほど測ればパターンがつかめるかと思いますが、現実は上のグラフのように綺麗にはなりません。もっとガタガタしているものが出来上がるはずなので、遠目で見てなんとなく体温が低い時期と高い時期に分かれているな、というのが分かればOKです。

体温表+排卵チェッカーで排卵日を予測する

妊娠検査薬のように、尿をかけて使う簡易検査キットを使って、排卵しているかどうかを調べることができます。ちなみに、海外のドラッグストアではより安価で手に入ることもあるらしく、東南アジアへの海外旅行などでまとめ買いしてる方もいるそうです。

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低温期から高温期に移りそうな時期は毎日検査をして、初めて陽性となった日、もしくはその次の日を排卵日とします。

また、ルナルナなどの月経周期管理アプリでも排卵日予想が出来ます。

月経がはじまった日を1日目として、何日目に排卵が起こっているのか、基礎体温表+排卵チェッカーやアプリで把握します。

タイミング法希望として産婦人科に通院して、エコー検査で卵巣の状態を調べてもらうと、より確実に排卵日を把握できます。

排卵日付近に精子提供者から精子をもらう

排卵日が分かれば、精子提供者の方に連絡し、精液をもらいに行きます。
精子の受け取りはトラブル回避のため、出来るだけ夫婦一緒に行くようにするといいかと思います。

受け取るときには、射精しただいだいの時刻を教えてもらいます。射出から2-3時間以内であれば、運動性が保たれるためです。

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最近は滅菌処理されたセルフシリンジ用のキットが販売されており、精液を入れてもらうためのカップと、シリンジ、シリンジに取り付ける柔らかいチューブがセットになっており、ネットで購入できます。

EDや性交痛に悩むヘテロカップルの方の間でも一般的になっており、妊活系の雑誌でも取り上げられています。

シリンジ法キット販売サイト

(2020/11/26追記)Twitterでアドバイス頂いた方法を追記します。
ツベルクリン用の1mlシリンジのみを使って、数回に分けて精液を膣内に入れる方法もあるとのことです。シリンジ法キットよりも経済的です。医療用に滅菌包装されているセットを、ネットやドラッグストアで入手可能です。

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精液は、上のキットにあるような簡易的なカップや紙コップなどを渡すか、精液を受け取ってから移動してシリンジ法をしたい場合は、下のような滅菌済みの蓋つき検体採取用カップを事前に渡しておきます。
入れ口の直径が5cm以上、容量は100mlぐらいあると提供者の方にも、注入時も扱いやすいです。

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使う道具はどれも簡易的なものなので、似たようなものはどこでも安価で購入できますが、最終的にはパートナーの体に入るものなので、できれば滅菌処理された清潔なものを使いたいです。
もし消毒用アルコールを使って消毒した場合は、アルコールが残っていると精子が死んでしまうため、しっかり乾かしてから使うように注意してください。

精子は女性の子宮の中で2~3日、卵子は排卵してから約24時間生きていると言われています。
排卵日ぴったりにトライする必要はありませんが、排卵日の1-2日前後の間に連続してトライした方が、精子と卵子が出会う可能性は高まるため、より妊娠の確率は高くなると言われています。

また、精子の生存に影響する要因は、「温度」「酸化」「紫外線」です。受け取ったら、光をあてないようにして人肌で温めながら、だいたい25~35℃ぐらいに保つのが理想です。冬場に保温せずに2時間以上持ち歩いたり、カイロなどで体温以上に温めてしまうと精子は弱ってしまいます。また、泡立ててしまうと泡の表面に精子がくっついて動けなくなるので、なるベく泡立てないように運んでください。

シリンジで精液を膣内へ注入する

射出後すぐの精液はゼリー状でネバネバしています。
この状態ではシリンジで吸い上げにくいので、25~35℃の状態で15~20分ほど放置しておくと、サラサラとした液体状になっていきます。

液化後はなるべく早くトライした方が良く、射精から遅くても2-3時間以内にします。

実施場所は精子を受け取る状況に合わせて、自宅、車内、ホテルなど清潔で落ち着ける環境で行いましょう。

精液をシリンジで吸い上げるときは、最初に少しだけ空気を吸わせてから、カップを傾けて精液全量をシリンジに入れます。
女性に仰向けに寝てもらって、パートナーがシリンジを持って膣に挿入し、ゆっくりと精子を注入します。このとき、シリンジを挿入するのは膣まで(約10cm)にしてください。精液中には多くの細菌が含まれており、それを防御する機能が子宮にはほとんどないため、絶対に子宮には入れないようにしてください。

注入後、しばらく寝たままにしたり逆立ちをすると良い、などと言われたりしますが、膣~子宮~卵管と、長い距離を泳いで卵管の先(卵管膨大部)で待機している卵子にたどり着くような選ばれし精子たちにとっては無意味とも言われますので、正直どちらでもいいです。

2-3週間後、月経がなければ妊娠検査薬を使う

いつもの予定通りに月経がこなければ、市販の妊娠検査薬を使ってみてください。
トライ後に高温期が2-3週間以上ずっと続いている、という場合も妊娠の可能性があります。

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陽性であれば産婦人科を受診して、正常に妊娠しているかどうか検査をしてもらいます。

月経が来たらまたトライ

セルフシリンジ法の妊娠率は正確なデータはありませんが、原理がほぼ同じタイミング法だとだいたい5-10%ぐらいと言われています。
決して高い数値ではないので、出来たらラッキー、ぐらいの気持ちで淡々と続ける方が良いと思います。

可能であれば最初に産婦人科を受診して、事前に不妊の原因になるような婦人科系の病気がないか診てもらったり、子宮卵管造影検査や通水検査で卵管の通りを良くしておくとベストコンディションで臨むことが出来ます。

また、5-6回目以降から妊娠率が急激に低くなることが知られています。
半年ぐらい毎月シリンジ法をやってみて、ダメなら不妊治療ができる病院を受診して治療をうけるのが時間とお金を無駄にせず早く妊娠するコツです。

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